レーザー・マーキング/リペアシステム MicroPoint マイクロポイント
光学顕微鏡の落射照明の光路にレーザー光を導入し、対物レンズの集光力で試料上に絞り込むことにより、簡単・安全・正確・非汚染で微小マーキングや微小領域の加工・切断を行うことが出来ます。ほとんどの顕微鏡に改造なしに取り付けることが出来ます。基本的に観察視野の中心位置にレーザーが照射されます。電動ステージと組み合わせてパターンや文字などを描くことが出来るシステム(キャラクターマーカー)、欠陥検査装置の欠陥マップを共有し観察やマーキングを統合するシステム(ウエハーレビュー)も準備しています。制御ソフトウエアはお客様の目的に合わせてカスタマイズが可能です。
特徴
- 回折限界に近似の微小スポットが得られます。(100X対物使用時で0.3μm以下)
- 接眼レンズ/デジタルカメラで観察と同時にレーザーの照射が可能です。
- 試料の深さ方向に選択的な切除が可能です。
- ファイバー接続方式のため、設置・移動が簡単におこなえます。
- ダイレーザー採用、目的により波長を変えることが出来ます。 (選択可能範囲 365nm~900nm)
- ほとんどの素材へマーキング/加工が可能です。
- ビームのアライメント、パワーの調節が容易に行えます。
- パルスエネルギー 50μJ以上、パルス幅 2-6 nsec.
- JIS-C6802 クラス1相当のレーザ装置です。
アプリケーション
- レーザーマーキング
- 半導体デバイスの回路切断/リペア
- パッシベーション膜の除去
- コンタミネーションの除去
- フォトマスクの加工/リペア
- フラットパネルディスプレイのリペア
- マイクロマシンの加工
ほとんどの素材に対応
基本的に、435nmピークの波長域を使用してマーキング/加工を行います。この波長だけで、シリコンウエハー、SiCウエハー(シリコンカーバイト)、サファイアウエハー、その他化合物半導体ウエハー、また、HDD、ガラス、銅(Cu)、金(Au)アルミ(Al)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、ポリイミド、ITO、窒化膜等-あらゆる金属や樹脂素材にマーキングできます。
素材の組み合わせによっては上層の膜を透過して下層にマーキング/加工を行うことも可能です。
例:SiC裏面より観察し内部パターン上へマーキング。
例:LCDガラスを透過し内部基盤へマーキング。
SEM、TEM、AFM、FIB等の前処理としてのマーキングに最適
暗視野や微分干渉、偏光観察でしか観察できないターゲットを光学顕微鏡で観察し、その周辺へマーキングを施すことでSEM、TEM、AFM、FIB等による観察を容易にします。また、ガラスやフィルムを透過して下層の基板にマーキングすることも可能なのでFIB切断前のマーキングとして有効です。
自動で文字や図形を描画することも可能(オプション)
メルツホイザー自動XYステージと制御ソフトウエア「キャラクターマーカー」を組み合わせて自動マーキング装置にアップグレード可能です。欠陥箇所の近傍へアルファベットや数字を描画して判別を容易したり、十字や○△□でターゲットをマーキングしたりできます。更にシーケンス機能や詳細マーク機能を使用すれば独自のマーキングを自動化できます。
欠陥検査装置とシームレスにコミュニケーション(オプション)
欠陥検査装置から出力された欠陥座標マップを共有化し、ウエハーレビュが可能です。目的の欠陥を観察し、必要であればマーキングができます。
※顕微鏡下自動マーキングシステム キャラクターマーカーへ移動
レーザ波長について
採用している色素レーザ(ダイレーザ)の特性として435nmが最も効率よく出力可能です。よって、あらゆる素材へのマーキング/加工にも435nmピークのレーザを使用します。しかしながら、素材の特性上、他の波長を使用したい場合は色素を変更することで使用波長を変更することができます。レーザを追加する必要がございませんのでコストを抑えることが可能です。
また、この435nmという波長は市販の光学顕微鏡の透過特性350nm~700nmとも合致しているためご使用中の顕微鏡へ簡単に追加することが可能です。対物レンズ等の光学部品を損傷することなくご使用頂けます。
ほとんどの光学顕微鏡へ取付可能
取付可能顕微鏡 |
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オリンパス:BX / MX / GX / IX / STMの各シリーズ |
ニコン:L / LV / Ni / FN1 / TE / Tiの各シリーズ |
カールツアイス:Axio Imager / Axio scope / Axio vert / Axio observer / Axio tron等 |
ライカ:DM /DMIの各シリーズ |
その他ほとんどの光学顕微鏡に取付可能です。 |
- オリンパス測定顕微鏡 STM7 組合せ
- 半導体検査顕微鏡(12インチウエハ用)Leica DM12000 M 組合せ
測定顕微鏡下でマーキングを施し、SEM観察の前処理を行います。
メルツホイザー社の自動XYステージと組み合わせて、欠陥検査装置の欠陥マップを共有することでレビュー+マーキング機能を有するシステムを構成します。
窒素パルスレーザ
レーザ電源として窒素パルスレーザを使用します。コンパクトで扱いやすいカートリッジ式と高出力で安定した出力を維持しやすいガス供給タイプをご用意しています。
カートリッジ式 | ガスフロー式 | |
波長 | 337.1 nm | |
繰り返しレート | 1 - 20 Hz | |
パルス幅 | 4 ns | 0.9 ns (900 ps) |
パルスエネルギー | 150 μJ | 300 μJ |
ピーク出力 | 45 kW | 330 kW |
連続ショット安定精度 | <± 3.5 % | <± 2.5 % |
寸法(W x H x D) | 95 x 95 x 279 mm | 300 x 150 x 580 mm |
重量 | 3.4 kg | 13 kg |
窒素ガス供給方式 | カートリッジ交換 | ガス設備(ボンベや施設配管) |
※本体前面に電源ケーブル、後方にファイバカップラが接続されます。余裕を持った設置スペースをご用意ください。
アプリケーションノート
顕微鏡がフォーカスしている位置にレーザーが集光します。これを利用することで、ガラスやフィルムのような透明体の内部にマーキングができます。またSiC裏面から観察し内部パターンへのマーキングも可能です。
参考資料ダウンロード:マイクロポイントを使用して透明素材の内部にマーキング
カタログダウンロード
カタログダウンロード:レーザ・マーキング/リペア・システム マイクロポイント